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スローバラードを君に
第2章 first love は突然に






「はっ!やってらんね――」

弥上は、スティッキを放り出しドラムセットの前から降りた。



「そんなに俺らの演奏に文句があんなら一人でやれよ!」



哀川も、ベースを下ろして両手で"お手上げ"のポーズをしてステージから去ってしまった。




二人共居なくなってしまい、ステージに残された俺は唇を噛む。



「……クソッ」



その時、入り口から誰かが入ってきた。


逆光で最初は良く見えなかったが、近づくにつれ、その姿がはっきりとしてくる。



女の子だった。


勿論、同じ年頃の女の子を見るのは始めてじゃないし、ライヴに来る子達は若い女の子ばかりだったから、見慣れている筈だった。



なのに、俺はその子を一目見ただけで、総てが浚われてしまったみたいに何も出来なくなってしまった。



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