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第26章 長い夜③

――どうしよう、どうしよう。

亮介に怪我を負わせてしまった。

命に別状はないとはいえ、全治一ヶ月は確実にかかる重傷。

マネージャーとして彼らのサポートをしなくてはならないのに、足を引っ張ってしまっている自分。

クレッシェンドはまだレコーデイングが終わっていない。もう大詰めという所まできて、この事態だ。

アルバムの発売日も既に世に告知しているし、リリースと同時にツアーも組んである。

その他にもラジオやテレビの出演なども決まっていた。

これからのスケジュールを考えれば考える程、景子は事の重大さを改めて思い知り、身震いした。

今回の件は紛れもなく自分の責任だ。どんな風にして償ったら良いのか、どうしたらクレッシェンドにかける迷惑を最小限に出来るのか――

景子は、亮介の堀の深い目元を見詰めながら懸命に考えた。