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らぶあど encore!
第26章 長い夜③

三広は、泣き笑いのような顔でスマホを手に中へ入ってきた。
景子は亮介の手を握り締めたままなのに気付き、我に返ったように離そうとするが、三広が首を振る。
「……握っててあげてよ。その方がこいつ嬉しいと思う」
「三広く……あの」
景子は口を開くが、何を言うのがこの場に相応しいのかなど全く分からない。赤い目をして首を傾げ少し笑う彼に胸が詰まって、やはり何も言うことが出来ずに絶句する。
三広は亮介の隣に立つと、わざと軽口っぽく言う。
「うん、怪我したのが景子ちゃんじゃなくて良かったよ。女の子を守ってこそ、ジェントルマンだもんな!よくやった亮介!」
「――っ」
景子は居たたまれなくて、うつむき亮介の手を握る。

