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水蜜桃の願い
第5章 甘やかな願い

……そうだよ。
ずっと──ずっと俺は、彼女を。
彼女だけを。
10年前から、たぶんずっと。
そう、この子だけを────。
……ああ、と無意識のうちに、口にした瞬間、だったら──! と彼女は泣きそうなのに、やっぱりどこか強い眼差しで俺を必死に見つめ
「先生もちゃんと私を欲しがって!」
叫ぶようにそう口にして、俺にしがみつくように抱きつく。
深く香る彼女の匂い。
くらりとした。
「好き……先生、っ、好き……!」
耳元で繰り返される俺への想いに脳内が掻き回される。
それは彼女の言葉に何もかもがぐちゃぐちゃになっていくような感覚。
「お願い先生……! 私を……!」
何も考えられない。
彼女の言葉だけが脳内を満たしていく。
「ねえ、ここからちゃんとしよ……!」
背中に回された両腕はそのままに、俺の顔を見つめるようにして
「始めたい、先生とちゃんと……!」
喉元に当てられた、柔らかな感触。
びくっと身体が反応した。
思わず飲み込んだ唾液。
その反応は、身体のすべてへと連鎖する。
どくどくと激しい鼓動はこれ以上ないほどにまで。

