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eyes to me~ 私を見て
第39章 騎士の仕掛けた罠

「あ、あの……」
「ん?」
「私が……他の人……に抱かれ……ても……翔大さんは」
聖恵の瞳が涙で一杯になる。
長い指で瞼に触れた途端大きな粒がポロリと手の甲に伝った。
翔大の胸にいとおしさと不憫さが沸き上がり、聖恵を抱きしめる。
胸の中で小さな聖恵が体を震わせ涙に暮れている。
自分に焦がれて無心に恋心を注いでいるのだと思うと、男の本能が悦びに震えて、聖恵を征服したくなる。
だが、愛するのは美名だ。
それは残酷な事実だった。
聖恵の事をどんなに可愛く思ったところで、美名への恋情には到底及ばない。
だが、聖恵は自分から抱いてくれと体を投げ出してきたのだ。
抱いてくれるなら、何でもする、と。

