この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第39章 騎士の仕掛けた罠

「……美名さん、素敵ですね……」
撮影を見ながら聖恵がポツリと呟き、綾波を上目遣いで見た。
綾波はその視線に気が付かない振りをして、美名から目を離さずに居る。
「silent wolfは順調だな?大活躍じゃないか……秋からのドラマタイアップも決まったとか?」
聖恵は沈んだ表情をして俯いた。
「どうした?」
「……私、不安で……自分の実力も伴わないのに、どんどん色んな事が決まって行って……」
「ハハハ……深く考えない方がいいぞ。
スポンサーだとか事務所だとか……そこまで気を回す必要はない。
ミュージシャンが気にするべき事は自分の音楽のクオリティーだ。
だが……完璧な物が全てじゃない。
多少粗くても魅力ある音を出すプレーヤーの方が俺は好きだ」
「綾波さんは……美名さんの恋人なんですか?」
聖恵の問いに、綾波は涼やかな笑みで返す。
「さあ……お前にはそう見えるか?」

