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eyes to me~ 私を見て
第23章 恋情にのたうつ獣
 ほなみは、少し頬がふっくらしたのだろうか。
 まろやかな笑みを浮かべて掃除機の電源を切り、こちらへ二、三歩踏み出して来る。
 綾波は思わず後ずさった。

「亮介君と三広君、さっきまで居たんだけど、取材の時間だからって出掛けました」

 心地よい声が、彼の身体中を侵(おか)していく。

「……なぜ来た」

 否応無しに舞い上がる気持ちをひた隠しにして、冷たい口調で言ってしまう。
 ほなみは一瞬真顔になるが、すぐに柔らかい笑顔になった。

(……やめてくれ。
 俺は、お前のそういう所に弱いんだ)

 ほなみを見ない様にそっぽを向く。

「昨夜、亮介君と三広君が電話をくれたの……
 綾波さんの所に行くから、西君とおいでって。
 けど西君が疲れてて、行かなかったの。
 皆に暫く会ってないし、久々にクロワッサンを届けようと思って……来ちゃった。
 ……迷惑、でした?」




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