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eyes to me~ 私を見て
第23章 恋情にのたうつ獣
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 甘い匂いに目を覚ますと、部屋の中がもう明るい。


「て……」

 鈍い痛みを頭に覚えた。 
 二日酔いか……
 久々だな。

 亮介と三広の姿は既に無かったが、妙に部屋の中が片付いている。

 三広がやってくれたのだろうか……

 ぼんやりと考えながら起き出すと、テーブルにクロワッサンが白い大皿の上に山盛りになっている。
 見覚えのある光景に、驚きと懐かしさを感じて綾波は辺りを見回した。

『君は……を奏で……君……恋を……撒いた……』

 聞き覚えのあるアルトの歌声。
 その声は寝室から聴こえ、綾波は吸い寄せられる様にドアを開けた。
 眩しい陽射しが逆光になり、一瞬目を細めた。
 部屋のベッドの廻りを掃除機をかけていた細い背中が振り向くと、真っ直ぐな長い髪がサラリと揺れる。
 綾波は夢現(ゆめうつつ)のまま呟いた。







「…………ほなみ」

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