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eyes to me~ 私を見て
第23章 恋情にのたうつ獣
 美名を愛すれば愛する程、美名はそれ以上の幸せをくれるのだ。
 
 幸せ……
 自分には分不相応なのではないか、と思ってしまう位に。
 この幸せのしっぺ返しが何処かで来るのではないか?
 闇が手ぐすねを引いて罠に誘っているのではないか?
 幸福が恐ろしく感じる、という感覚を初めて味わっている。
 綾波は深い溜め息を付いて、身体を拭いてバスローブを纏い鍵を開けた。

 ――俺のおかしな態度に三広が心配しているかも知れない。
 ごく普通に振る舞って安心させてやらなければ――

 リビングに入ると、静かな寝息が聞こえてくる。
 三広は気持ち良さそうに床で大の字になって眠っていた。

「……腹を出して寝るとは子供か」

 苦笑してタオルケットをかけてやる。

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