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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「美味しいね。」

ケーキの脇には季節外れの夏の海がゆらゆらと灯されている。

一緒に作って形になったものがそこにある。
それも幸せだった。

「美味しい。何か全部ハルトに用意してもらって申し訳ないです。」

「何だか今日の終わりを締めくくったような言い方してないか?」

「え?」

「今からたっぷりルリ味わうから…」

「は…はい…」

部屋についた途端、ツリーやらケーキ、キャンドルドームなどの流れで、
飛ばされた雰囲気を一気にハルトが戻す。

ああ…観覧車でキスして褪めないうちにアタシをと、

ハルトが必ず有言実行する人だと改めて思い出した。

「まずチャイニーズドレスの店員にヤキモチ妬いたよね。
ツリーの周りを俺を誘うように歩いて見てよ。」

「えっ…」

「俺が他所の女に釣られないように、エロく歩いてみな…」

アタシがそういう色気がないのも知っててハルトは言う。

アタシはツリーの周りをゆっくり歩く。

「ノーパンノーブラだっての忘れたの?」

あっ…

「それを意識して、スリットの太ももを撫で上げてみて…」

っ…

スリットがハルトの方を向くように立ち、屈んで膝辺りから足を撫で上げていく。
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