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堕散る(おちる)
第19章 step19十三段目…始業式
怖い…

もしかしたら、痴漢かもしれない。隣の人もあっちの人も…

「ルリ、あえて電車に乗るよ。
怖がっちゃだめだ。」

ハルトが頭を撫でる。

それで怖さが消えるわけではないが、勇気はもらえる。

「ちゃんと逃げること考えられてたよね?」

「でも…」

「でも?」

「ハルトの講義、無駄にしちゃった。」

「これから気をつければいい。」

ポロリと涙を流す。


泣かれるのは面倒。

「ルリ、俺が泣かしたみたいじゃん。」

一部そうなのだが、扉脇の角に納めたルリを引き寄せ抱き締めて隠す。

「ごめんなさい…」

ルリは俺の胸に隠れて呟くように言ったあと、一生懸命泣き止もうとした。


「本当は外で食事する予定だったけど…」

お弁当を買ってホテルに入る。
アタシの状態から早くゆっくり話せるようにと…


部屋に入り、備え付けの粉末のお茶をハルトが入れてくれた。

「まずは食事しよう。」

食欲はあまりないけど、ハルトに勧められてなんとか食べる。

「ハルト、感じる体はイイカラダ?」

「そうだよ。」

「怖かった、気持ち悪かった。でも、声をだして助けを求めることができなかった。」


「ああ、でも必死に逃げようとしたんでしょ?」
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