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例えば、こんな...
第6章 バレンタイン企画
脱力した真純の手がパタンとベッドに落ちた。息が上がってる。
胸だけで達するとか最近以前にも増して感じ易くなった。可愛い身体に頬が緩む。

額にそっと口付けた。

二ヶ月前、真純の過去を知らされた。
激しい憤りを感じ、より強くなった真純を守りたいと言う思い。そして、同時に掻き立てられた黒い感情。
顔も知らない、真純にとって憎むべき相手に抱く嫉妬。真純に悟られる訳にはいかない。最大限の注意を払って押し留めた。

だから、かもしれない。
真純から求めて欲しいと強く願う。今の様な新たな反応が嬉しい。笑みを浮かべてキスマークをなぞる真純が愛しくて、堪らない。
真純と俺の関わりを実感出来る些細な事の全てが嬉しい。

濡れた目で俺を見上げる真純。
「たくま、さん」
蕩けた甘い声で呼んでくる。
「なに?」
上気した頬を包むと少し目を細め、上から手を添えられた。
「好き、です」
「……うん、俺も好き」
ほわっと胸が温かくなる。自然と笑みが浮かんだ。

好き
愛してる

何度伝えても、足りる事はない。
誰かを愛しいと思う、その気持ちを思い出させてくれた。人として当然の感情を、取り戻させてくれた。

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