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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 美しい少年が琵琶をかき鳴らし始める。
 ふいに玲瓏とした声が哀切な琵琶の音色に乗って流れてきた。

 祇園精舎の鐘の声
 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色  
 盛者必衰の理を表す
 おごれる者も久しからず
 ただ春の夜の夢のごとし
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