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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 龍の周囲を蓮の花びらが舞い、そのはるか彼方には蒼い月が丸くくっきりと浮かんでいるのが見える。
 これは、水龍。
 火を司る火龍に対し、水を司る水龍ではないか。水龍は気持ち良さげに巨躯をくねらせ、蒼空を旋回し泳ぐ。時折、銀色に光る角と髭を震わせ、回りを揺るがせるような雄叫びを上げる。
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