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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 いつしか風が出てきたのか、戸外では風が唸り吹きすさぶ音が聞こえていた。この嵐で、八分咲きになった桜も散るかもしれない。
 楓の瞼の向こうでは、嵐に翻弄される薄紅色の花びらが舞い踊っていた。時繁の動きは実に多彩を極めた。あるときは腰を回しあるときは彼自身を抜けそうなほど引き抜いて、またひと息に差し貫く。
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