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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第36章 《巻の参―杏子の樹の傍で―》

本当に不思議な男である。二年前と違って、この男について色々と知り、随分と親しくなった今でさえ、夢五郎は得体の知れぬところがあった。それでも、夢五郎が泉水の身を真剣に案じてくれているのだけは判る。こうしてふらりと姿を見せては、さりげなく様子を見て、落ち込んでいたら励ましてくれる。
その態度には全く押しつけがましさはなかった。泉水に惚れているのだと度々広言しながらも、けして踏み込むことはなく適度な距離を保って対してくれる。そのことが、泉水にはありがたくも嬉しくもあった。
その態度には全く押しつけがましさはなかった。泉水に惚れているのだと度々広言しながらも、けして踏み込むことはなく適度な距離を保って対してくれる。そのことが、泉水にはありがたくも嬉しくもあった。

