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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美

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差出人:波瑠さん
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サクラ、今お前達が居るそこの施設で急病人が出ているだろう。
当直の俺に問い合わせが入った。
「東大付属病院で、女性がミイラのように枯れ果てている症例はあるのか」と。
そして病院で検査中、消えたらしい。全員、跡形もなく。
サクラ。過去片倉の行動に伴い、同様なケースで救急班が出動しているのか調べろ。病院の問い合わせ記録を辿るだけでもいい。
…もしかすると、片倉は――。
シズと同じ、淫魔なのかもしれん。男のな。
だからシズのことを、淫魔のことを知っているのかも知れない。
だがこれは、ただの俺の推測の域を出ない。
それが推測なのかどうか、調べて欲しい。シズの、あの男に対する警戒心のなさと、そしてシズに対するあの男の執着心、そしてシズを誘惑する力は、どうしても普通とは考えにくい。
シズを守ってくれ。頼む。
そしてナツが本懐を遂げてない今、シズの心を俺に固定させないでくれ。
シズが自分の意志で選ぶことを、俺もナツも願う。
波瑠

