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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心

もし、またあの腕に抱かれたら―、夜毎、極楽に遊ぶようなめくるめく忘我の境地にいざなわれるのだろうか。
そこまで考え、サヨンはハッと我に返り、頬を赤らめた。自分は一体、何というはしたないことを考えたのか。
と、頭上がふっと軽くなった。愕いて見上げると、トンジュが瓶を抱えて立っていた。
「お帰り。重くはなかったか?」
「大丈夫よ。いつも言ってるでしょう、これしきのこと、たいしたことではないわ。やせっぽちだけど、力はあるのよ、私」
そこまで考え、サヨンはハッと我に返り、頬を赤らめた。自分は一体、何というはしたないことを考えたのか。
と、頭上がふっと軽くなった。愕いて見上げると、トンジュが瓶を抱えて立っていた。
「お帰り。重くはなかったか?」
「大丈夫よ。いつも言ってるでしょう、これしきのこと、たいしたことではないわ。やせっぽちだけど、力はあるのよ、私」

