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セックスしないと出られない部屋に母ちゃんと
第2章 閉ざされた扉
『お客様ですね。 いらしゃいませ』
天井からAIの声がする。

「誰っ?」
母ちゃんが驚く。

「AIだよ。 天井にカメラがあって、部屋の中を見てるんだよ」
僕は天井のカメラの位置を指さす。

「トイレにはカメラは無いわよね? お手洗いを借りたいんだけど…」
母ちゃんが尋ねる。

「もちろん、あるよ。 トイレの監視は大事だから。 トイレでの事故は老人に多いんだ」
僕は母ちゃんに説明する。

住人の安全を守るのも、スマートルームのAIにとって重要な仕事だ。

「でも、この部屋にはお年寄りは住んでないわよ」
母ちゃんが質問を続ける。

「ここは、いろんな人が住むことを想定した研究用のモデルルームだから」

「私はカメラで見られながら用を足すのは嫌だから、今はやっぱり、トイレには行かないわ」

この母ちゃんの判断が、後でとんでもない事態に繋がることは、この時の僕たちには想像すら出来なかった。
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