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父に刻印された身体
第9章 濡れた境界線
私は絶頂の痺れが残る快感の余韻を全身で味わいながら、ゆったりと温かい浴槽の湯の中に身を沈めていた。
つい先ほどまでこの密室で繰り返されていた父との交感が、ぬるい波となって幾度も胸の奥に押し寄せてくる。自分から両脚を開いてみせたあの背徳的な行動、押し殺した父の荒い息遣い、途切れ途切れに交わした言葉、すれ違うように絡み合った視線——そして最後に鏡の結露を拭った向こう側に揺らめいていた、父の股間で異様なまでに膨れ上がり、逞しい質量を誇っていたボクサーパンツの影。その一つひとつの断片が、万華鏡のように脳裏を駆け巡り、離れてくれない。
タップリと張られた湯のぬくもりが疲弊した身体を包み込むたびに、去ったはずの情事の記憶がますます鮮烈に蘇り、私の肉体と精神の奥深くに、甘く不潔な熱を孕んだ血をふたたび巡らせていっていた。
浴室を抜け出すと、ひんやりとした脱衣所の空気が、上気した肌の表面をさっと撫で上げていった。タオルを手に取り、キャストで重い左手を気遣いながら、自由に動く右手だけで身体に纏う雫を丹念に拭い去っていく。首筋からなだらかな肩、胸元、お腹へとタオルを滑らせ、膝を折って足先まで丁寧に水分を拭った。
けれど、快楽の残り香を含んだ肌の奥から滲み出る熱い水気までは拭い去ることはできず、諦めてバスタオルを胸の上で固く巻きつける。足元を慎重に確かめながら脱衣所をあとにし、静まり返った階段をゆっくりと上って、自分の部屋のドアを開けた。
姿見の前に立ち、巻き付けていたバスタオルを躊躇いなく解き落とす。ほんのりと朱に染まった無防備な裸身が、薄暗い鏡の中に鮮明に映し出された。
胸元に残る熱を確かめるようにタオルを滑らせ、肌の隅々を拭い直す。
湯上がり特有のぬくもりもさることながら、それ以上に父と過ごしたあの濃密な時間の残り香と高揚が、私の体の最深部に甘い火種を焚べ続けていた。
つい先ほどまでこの密室で繰り返されていた父との交感が、ぬるい波となって幾度も胸の奥に押し寄せてくる。自分から両脚を開いてみせたあの背徳的な行動、押し殺した父の荒い息遣い、途切れ途切れに交わした言葉、すれ違うように絡み合った視線——そして最後に鏡の結露を拭った向こう側に揺らめいていた、父の股間で異様なまでに膨れ上がり、逞しい質量を誇っていたボクサーパンツの影。その一つひとつの断片が、万華鏡のように脳裏を駆け巡り、離れてくれない。
タップリと張られた湯のぬくもりが疲弊した身体を包み込むたびに、去ったはずの情事の記憶がますます鮮烈に蘇り、私の肉体と精神の奥深くに、甘く不潔な熱を孕んだ血をふたたび巡らせていっていた。
浴室を抜け出すと、ひんやりとした脱衣所の空気が、上気した肌の表面をさっと撫で上げていった。タオルを手に取り、キャストで重い左手を気遣いながら、自由に動く右手だけで身体に纏う雫を丹念に拭い去っていく。首筋からなだらかな肩、胸元、お腹へとタオルを滑らせ、膝を折って足先まで丁寧に水分を拭った。
けれど、快楽の残り香を含んだ肌の奥から滲み出る熱い水気までは拭い去ることはできず、諦めてバスタオルを胸の上で固く巻きつける。足元を慎重に確かめながら脱衣所をあとにし、静まり返った階段をゆっくりと上って、自分の部屋のドアを開けた。
姿見の前に立ち、巻き付けていたバスタオルを躊躇いなく解き落とす。ほんのりと朱に染まった無防備な裸身が、薄暗い鏡の中に鮮明に映し出された。
胸元に残る熱を確かめるようにタオルを滑らせ、肌の隅々を拭い直す。
湯上がり特有のぬくもりもさることながら、それ以上に父と過ごしたあの濃密な時間の残り香と高揚が、私の体の最深部に甘い火種を焚べ続けていた。

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