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ドラゴンの潜む山
第1章 ドラゴンの潜む山
穂乃果が目覚めると、白い天井が見えた。白い布団と白いカーテン。薬品の匂いが鼻をつき、ここが病院なのだとぼんやりと理解する。
あのまま山の中で意識を失ってしまったのか、ここに来るまでの記憶がすっぽりとなかった。
「穂乃果!」
穂乃果の母がいた。
「良かった、目が覚めて……」
「お母さん、心配かけてごめんなさい。美桜は?」
一瞬の沈黙。穂乃果は起き上がり、母の腕を掴む。
「無事?」
「ええ。でも、たくさん直さなきゃいけないところがあるし、もうこの町で人間として一緒に過ごすのは難しいから……引っ越すって」
「そんな……」
「寂しいけど、ずっと会えないわけじゃないでしょ、きっと。そう、安《あん》ちゃんから、伝言」
「何?」
安ちゃんは、美桜の母親の名前だった。
「一緒にドラゴンを探してくれてありがとう、って」
穂乃果はぼろぼろと涙を流した。探した。そして見つけたのだ。美桜が長年恋焦がれていた真っ黒いドラゴンを。

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