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ドラゴンの潜む山
第1章 ドラゴンの潜む山
そして、その日の放課後。ホームルームを終えて廊下に出ると、美桜のクラスはすでに終礼が終わっていた。一学年が一クラスしかないため、学年ごとに階が別れている、ということもない。一年一組、二年一組、三年一組、のクラスは隣同士で、二階にある。
「だから、日曜は山に行くんだって!」
トイレに寄ってクラスに戻ろうとすると、突然の大声が響いた。振り向くと、一年のクラスのドアの前にカバンを持った美桜の姿がある。
同じクラスの佐山《さやま》という女生徒が、美桜の正面に立っていた。
「山? なんで?」
「日曜晴れの予報なの! だからドラゴンを探しに行くんだよ!」
「でも、花井先生が今月で……」
「日曜はダメ、ダメなものはダメ! 寒くなったら行けなくなっちゃうんだよ、今年最後のチャンスかもしれないの!」
美桜は女生徒の言葉を遮り、地団駄を踏んだ。
一歩も折れる気はないらしい。
佐山は小さく嘆息し、諦めたように口を開いた。
「そっか、ごめんね、しつこく誘って」
美桜は何も答えずに、肩を怒らせたまま早足に廊下を去っていく。帰ったようだ。
穂乃果は美桜のことも気になったが、今の状況も同じくらい気になっていた。
二学年下の一年生の佐山。彼女は一体何に美桜を誘ったのだろう。
自分がしゃしゃり出てあれこれ詮索するのも気が引けて、穂乃果はその場でさりげなく聞き耳を立てた。

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