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ドラゴンの潜む山
第1章 ドラゴンの潜む山
稲の収穫を終えた田んぼはすっかり色褪せていた。先週まではまだ刈られていない田んぼがあったが、今週に入るとそれも無くなった。コンバインに乗って作業する人も見かけなくなった。
(風、冷た……)
穂乃果は自分の両腕を抱きしめる。
先週はエアコンのいらないちょうどいい気温だったが、そんな秋らしく過ごしやすい気温は長く続かない。一週間で冬が突撃してくる。高校はセーラー服だが、そろそろカーディガンが必要かもしれない。
穂乃果は橙色に染まり始めた景色を眺め、歩調を少し速めた。
翌週の金曜日に美桜は帰ってきた。正確に言うと木曜日の夜だが、会うのは金曜日の朝だった。穂乃果はいつものように、美桜の家まで迎えに行った。
「ほのちゃん!」
玄関から飛び出してきた美桜の変わらぬ姿に安堵する。
「おはよ。学校行こ」
「うん!」
隣に並ぶと、美桜の身長が少し伸びている気がした。

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