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禁忌の鍵を外す夜【短編】
第1章 禁忌の鍵を外す夜
◇ ◇ ◇
──そして、運命の翌朝。
お屋敷は、信じられないほどの怒号と混乱に包まれていた。
婚約者である彰人さんの、生々しい浮気現場の写真が大量に私の父の元へ送りつけられたのだ。それも、何人もの女性と関係を持っていたという決定的な証拠。
「こんな不誠実な男に、娘をやれるか!婚約は破棄だ!」
父の激怒により、式は急遽中止。政略結婚の縛りから、私は奇跡的に解き放たれた。
呆然と自室に佇む私の元へ、息を切らせた白城が飛び込んできた。いつも完璧な彼の髪が、少し乱れている。
「桃花……!」
「白城…っ…!私、自由になったの…?彰人さんとは、もう結婚しなくていいの?」
白城は部屋の鍵をガチャリと閉めると、まっすぐに私へと歩み寄った。もう、昨夜のような躊躇いは一微塵もない。
彼は私を、二度と離さないと言わんばかりに力強くその腕の中に抱きしめ、ベッドへと押し倒した。
「…はい。もうあなたを、誰にも渡さずに済みます」
耳元で囁かれた彼の声は、低く、剥き出しの独占欲に満ちていた。

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