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素直になれない幼なじみ【短編】
第2章 決壊の足音
「お前さ、ほんと男を部屋に泊める警戒心なさすぎ。俺が男だって忘れてんの?」
「…忘れてないよ。皇が勝手に入ってきたんでしょ」
「ふーん……。じゃあさ、もし俺が今から変なことしようとしたら、どうすんの?」
皇がさらに距離を詰め、私の顔を覗き込んできた。
からかうような、楽しそうな目。いつもの意地悪だ。
私が困ったり、照れたりするのを見て楽しんでいる。
いつもなら、「バカ言わないで」と笑って突き放せるはずだった。
けれど、今夜は無理だった。
彼の濡れた髪から香る、自分と同じシャンプーの匂い。
その下に隠されていた、知らない女の香水の匂い。
すべての感情が頭の中でぐちゃちゃにかき混ぜられる。
「……からかわないで」
「からかってねーよ。凛仔が鈍感すぎるから、ちょっと教えてやろうと思って――」
「もうやめてって言ってるの!!」
叫ぶようにして、皇の胸を強く突き放した。

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