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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第3章 義息~超えてはいけない境界線(2)
見慣れない青いブリーフを思わず手に取った。
……涼介君のだ。こんなものを履いているのね
まじまじと見つめながら、思わず、股間の部分に指を触れていた。
……やだ。私ったら、もう何をしているの
慌ててブリーフを洗濯機の中へ投げ込む。指先に残った微かな感触が、しばらく消えない。
* * *
いつもの京都の老舗料亭から届いた高級おせちを、ふるさと納税で取り寄せた数の子やローストビーフとともにテーブルへ並べる。御雑煮を作りながら、皆が起きてくるのを待つ。煮汁の良い匂いが室内に漂い始めると、トントンと階段を降りる足音が聞こえた。
「ママ~、おはよう」
「お義母さん、おはようございます」
最初に降りてきたのは、長女たちだった。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
年明けならではの挨拶を一通り交わすと、長女は「おせち、食べていい?」と言いながら、さっそくテーブルの上の料理を一口つまむ。
「うっわ、やっぱここのおせちって美味しいわ」
「もう……葉月、お行儀が悪いわよ。おせちは逃げないから。そこにお座り。さあ、涼介君もどうぞ」
二人はテーブルに着く。
「ママ~、もう食べていい?」
「パパと樹を起こしてくるから、少しだけ待ってて」
「待っててだって……しゃあないな~、待っとくか~」
私は階段を上がり、パパと長男の部屋の扉をノックする。
「起きて~。パパ」
前日とは違い、すぐにドアが開いた。皆で改めて新年の挨拶を交わし、私とパパから三人にお年玉を渡すと、パパと樹はまた寝室へと戻っていった。
一日が、ようやく始まったような気がする。長女夫婦が愛犬の散歩から戻ってきてから、「氏神様に初詣に行かない?」と誘ったが、「昨日、あそこへ行ったからいいわ」と断られた。
起きてこないパパとは行くのを諦め、長男を誘って近所の神社へ向かう。それほど大きくない神社だが、初詣ともなれば人が集まる。ご近所の顔を見つけては、何度も新年の挨拶を交わす。本殿までの列に並び、お賽銭箱に紙のお賽銭を入れ、神前で手を合わせ、踵を返して自宅へ戻った。
……涼介君のだ。こんなものを履いているのね
まじまじと見つめながら、思わず、股間の部分に指を触れていた。
……やだ。私ったら、もう何をしているの
慌ててブリーフを洗濯機の中へ投げ込む。指先に残った微かな感触が、しばらく消えない。
* * *
いつもの京都の老舗料亭から届いた高級おせちを、ふるさと納税で取り寄せた数の子やローストビーフとともにテーブルへ並べる。御雑煮を作りながら、皆が起きてくるのを待つ。煮汁の良い匂いが室内に漂い始めると、トントンと階段を降りる足音が聞こえた。
「ママ~、おはよう」
「お義母さん、おはようございます」
最初に降りてきたのは、長女たちだった。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
年明けならではの挨拶を一通り交わすと、長女は「おせち、食べていい?」と言いながら、さっそくテーブルの上の料理を一口つまむ。
「うっわ、やっぱここのおせちって美味しいわ」
「もう……葉月、お行儀が悪いわよ。おせちは逃げないから。そこにお座り。さあ、涼介君もどうぞ」
二人はテーブルに着く。
「ママ~、もう食べていい?」
「パパと樹を起こしてくるから、少しだけ待ってて」
「待っててだって……しゃあないな~、待っとくか~」
私は階段を上がり、パパと長男の部屋の扉をノックする。
「起きて~。パパ」
前日とは違い、すぐにドアが開いた。皆で改めて新年の挨拶を交わし、私とパパから三人にお年玉を渡すと、パパと樹はまた寝室へと戻っていった。
一日が、ようやく始まったような気がする。長女夫婦が愛犬の散歩から戻ってきてから、「氏神様に初詣に行かない?」と誘ったが、「昨日、あそこへ行ったからいいわ」と断られた。
起きてこないパパとは行くのを諦め、長男を誘って近所の神社へ向かう。それほど大きくない神社だが、初詣ともなれば人が集まる。ご近所の顔を見つけては、何度も新年の挨拶を交わす。本殿までの列に並び、お賽銭箱に紙のお賽銭を入れ、神前で手を合わせ、踵を返して自宅へ戻った。

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