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監禁願望の女
第2章 黒いリボン
***
金曜日の夜――。
彼女は待ち合わせ場所に到着した。そこは、とあるオフィスビルの地下駐車場だった。止まっている車は少なく、人の姿も見当たらない。
車のナンバーの下四桁は、事前に教えられていた。目的の車はすぐに見つかった。黒いSUVは駐車場の一番奥に、前向きで止められている。
彼女は自分の意志で、その車へ近づいていった。彼女の靴音だけが、コンクリートに囲まれた駐車場に響いていた。
(本当に乗るのか……)
そう考えながらも、足を止めることはなかった。
車は不気味なほど黒光りしていた。車高は高く、窓には濃いスモークがかかっており、外から車内の様子をうかがうことはできなかった。磨かれた黒いボディには、ゆったりとしたニットワンピース姿の彼女が、鏡のように映り込んでいた。
彼女は後部座席の窓を軽くノックした。すぐにカチャリと音がして、ドアのロックが解除される。彼女は一度息をのみ、ゆっくりとドアを開けた。
車内には、ジャケット姿の男が一人、後部座席の奥に座っていた。
「どうぞ……」
低く穏やかな声だった。彼女が想像していたような威圧感はなかった。
彼女は小さく息を吸うと、促されるまま車内へ乗り込み、そっとドアを閉めた。
後部座席の奥には、四十歳前後の男が座っていた。髪は短く、顔はやや面長で、頬には余分な肉がない。角張った顎から太い首へとつながる輪郭は、硬く力強かった。
低く穏やかな声とは裏腹に、その目元には笑みがなかった。何を考えているのか、表情から読み取ることはできなかった。
金曜日の夜――。
彼女は待ち合わせ場所に到着した。そこは、とあるオフィスビルの地下駐車場だった。止まっている車は少なく、人の姿も見当たらない。
車のナンバーの下四桁は、事前に教えられていた。目的の車はすぐに見つかった。黒いSUVは駐車場の一番奥に、前向きで止められている。
彼女は自分の意志で、その車へ近づいていった。彼女の靴音だけが、コンクリートに囲まれた駐車場に響いていた。
(本当に乗るのか……)
そう考えながらも、足を止めることはなかった。
車は不気味なほど黒光りしていた。車高は高く、窓には濃いスモークがかかっており、外から車内の様子をうかがうことはできなかった。磨かれた黒いボディには、ゆったりとしたニットワンピース姿の彼女が、鏡のように映り込んでいた。
彼女は後部座席の窓を軽くノックした。すぐにカチャリと音がして、ドアのロックが解除される。彼女は一度息をのみ、ゆっくりとドアを開けた。
車内には、ジャケット姿の男が一人、後部座席の奥に座っていた。
「どうぞ……」
低く穏やかな声だった。彼女が想像していたような威圧感はなかった。
彼女は小さく息を吸うと、促されるまま車内へ乗り込み、そっとドアを閉めた。
後部座席の奥には、四十歳前後の男が座っていた。髪は短く、顔はやや面長で、頬には余分な肉がない。角張った顎から太い首へとつながる輪郭は、硬く力強かった。
低く穏やかな声とは裏腹に、その目元には笑みがなかった。何を考えているのか、表情から読み取ることはできなかった。

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