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監禁願望の女
第2章 黒いリボン
***

そして今、その体は、檻の中でも彼女の意思を置き去りにしていた。

襦袢の内側にこもった熱が、細い息を繰り返すほど全身へ広がっていく。彼女はその熱から逃れようと、板の上で脚を動かした。両膝のすぐ上を束ねる縄が擦れ、身をよじるたびに襦袢の合わせ目が少しずつ緩んでいった。

意識して裾を開こうとしたわけではなかった。ただ窮屈だった。熱を逃がし、冷たい空気を取り込みたかった。彼女は縄の許すわずかな幅で膝を開き、折り曲げていた脚を片側へ崩した。

乱れた裾の隙間から冷気が入り込み、火照った膝を撫で、脚の内側へ滑り込んだ。彼女は首を反らし、白い布に塞がれた口から息を吐いた。冷たさに触れた肌には鳥肌が浮いた。それでも、体の奥に集まった熱は消えなかった。

視線を落とすと、縄に押された襦袢が胸の形に沿い、その先に浮かぶ尖りを隠しきれずにいた。

彼女は目を見開いた。

そして、それを否定するように首を大きく横へ振った。乱れた髪が頬を払い、体を封じる縄がミシミシと軋んだ。

(違う。これは裾の内側に熱がこもっているからだ。息苦しくて、冷たい空気に肌が触れたからにすぎない)

そう思おうとするほど、縄の感触ばかりが鮮明になった。胸を横切る硬い縄。背中で折り畳まれた両腕。開くことを許されない膝。檻の格子へつながれ、自分では楽な姿勢ひとつ選べない体。

彼女は縄の中で手首を擦り合わせ、肩を揺らして何度も体をよじった。だが、その指が結び目を探ることはなく、縄を緩めようと力を込めることもなかった。決して逃げようとしているのではない。動くたびに体を封じる縄を感じ、自分に施された拘束がどれほど強く、どれほど逃れがたいものなのかを、己の体で確かめているようだった。

地下蔵には、彼女のほかに誰もいなかった。誰の手も触れてはいない。それなのに、逃れようと身をよじるたび、体の奥では熱がいっそう強くなっていった。

彼女はもう一度、激しく首を振った。

認めたくなかった。自分が恐れていたはずのこの姿を、体のほうはずっと前から知っていたなどとは。
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