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美香・透明な婚姻
第1章 帰郷
熱帯夜のジットりとした空気が、肌にまとわりつくような夜。
本家の別室では、妹と子供たちが冷房の効いた部屋ですやすやと眠りについている。かつての夫婦喧嘩以来、いつしか秀隆くんと妹とはセックスレスの関係になっていた。
私は別室で扇風機の風を浴びながら布団の上でその時が来るのを待った。
(最初の夜。あのときは半分、レイプされる感じだったわ)
脳裏をよぎるのは、数年前の最初の夜のこと 。あれは半ば強引な、夜這いのような始まりだった 。
初めて彼に抱かれたとき、彼を見つめる私の目の中には何色もの光が宿っていた。最初に感じたのは、彼の無防備な不貞に対する軽蔑だったが、彼の優しい瞳を見るたびに、その強引さにどうしようもない官能を覚えざるを得なかった。
客観的に見れば、同意の上の過ちとは言えないかもしれない 。けれど、妹思いの彼がこの不貞を口外することはないだろうという確信と、互いに同じ罪の重さを背負っているという共犯意識が、私たちを繋いでいた 。 あのときの情景は数年たった今でもはっきりと思い出せる。
暗闇の中、廊下に面した襖がわずかに開き、コホンという小さな咳払いが聞こえた。 私はそれまで薄暗く灯していた明かりを、すっと消した。それが、彼を迎え入れる私からの合図だった。
部屋に一歩足を踏み入れた彼をお迎えする。離れの冷気が、火照った肌を優しく撫でていく。布団に横たわる私の傍らに彼が腰を下ろし、身体を覆っていた薄い浴衣の布地をそっと剥ぎ取ろうとした。
「あなたはいつも私を強引に抱きたがるのね」
悪戯な子供を窘めるような視線を、暗がりのなかで彼に向ける。彼は強い喉の渇きを覚えたように唾を飲み込み、「義姉さん、今夜は……」と声を掠れさせた。私は瞳に微かな光を湛えて微笑んだ 。
「今日は、私をどうやって楽しませてくれるの?」
私が夏になるたび携えてくる紺色の浴衣は、すでに胸元がはだけ、白い肌の膨らみと艶やかな太腿を闇の中に浮かび上がらせていた。
「ねえ、脱がしてくれへん?」という私の言葉に促されるように、彼は私を抱き寄せ、帯の紐を引いた。
浴衣の前を左右に開くと、私はすでに何も身に纏っていなかった。露わになった私の身体を、彼は釘付けになったように見つめている。
「あれから体つき、変わったでしょ?」
「いいえ、義姉さん。相変わらず綺麗です」
本家の別室では、妹と子供たちが冷房の効いた部屋ですやすやと眠りについている。かつての夫婦喧嘩以来、いつしか秀隆くんと妹とはセックスレスの関係になっていた。
私は別室で扇風機の風を浴びながら布団の上でその時が来るのを待った。
(最初の夜。あのときは半分、レイプされる感じだったわ)
脳裏をよぎるのは、数年前の最初の夜のこと 。あれは半ば強引な、夜這いのような始まりだった 。
初めて彼に抱かれたとき、彼を見つめる私の目の中には何色もの光が宿っていた。最初に感じたのは、彼の無防備な不貞に対する軽蔑だったが、彼の優しい瞳を見るたびに、その強引さにどうしようもない官能を覚えざるを得なかった。
客観的に見れば、同意の上の過ちとは言えないかもしれない 。けれど、妹思いの彼がこの不貞を口外することはないだろうという確信と、互いに同じ罪の重さを背負っているという共犯意識が、私たちを繋いでいた 。 あのときの情景は数年たった今でもはっきりと思い出せる。
暗闇の中、廊下に面した襖がわずかに開き、コホンという小さな咳払いが聞こえた。 私はそれまで薄暗く灯していた明かりを、すっと消した。それが、彼を迎え入れる私からの合図だった。
部屋に一歩足を踏み入れた彼をお迎えする。離れの冷気が、火照った肌を優しく撫でていく。布団に横たわる私の傍らに彼が腰を下ろし、身体を覆っていた薄い浴衣の布地をそっと剥ぎ取ろうとした。
「あなたはいつも私を強引に抱きたがるのね」
悪戯な子供を窘めるような視線を、暗がりのなかで彼に向ける。彼は強い喉の渇きを覚えたように唾を飲み込み、「義姉さん、今夜は……」と声を掠れさせた。私は瞳に微かな光を湛えて微笑んだ 。
「今日は、私をどうやって楽しませてくれるの?」
私が夏になるたび携えてくる紺色の浴衣は、すでに胸元がはだけ、白い肌の膨らみと艶やかな太腿を闇の中に浮かび上がらせていた。
「ねえ、脱がしてくれへん?」という私の言葉に促されるように、彼は私を抱き寄せ、帯の紐を引いた。
浴衣の前を左右に開くと、私はすでに何も身に纏っていなかった。露わになった私の身体を、彼は釘付けになったように見つめている。
「あれから体つき、変わったでしょ?」
「いいえ、義姉さん。相変わらず綺麗です」

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