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美香・透明な婚姻
第4章 ゼブラ柄の残像と熱い砂
三日目。

その日も、朝から眩しいほどの青空がどこまでも晴れ渡っていた。鳴き止まぬ蝉たちが、自らの短い命を削り取るかのように、必死で狂おしい声を響かせている。

妹の由衣たちが朝食を済ませ、午前中のうちに近くの海水浴場へ行く準備に取りかかっている。

由衣が「姉さんもどう?」と部屋の外から声をかけてくれたけれど、私はどうしても気が乗らず、朝食の席にも姿を現さないまま、力なく「私はお昼から泳ぎに行くわ」とだけ返事をした。結局、午前中は由衣も留守番をすることにしたらしく、秀隆くんが一人で息子の弘毅くんと私の子供の面倒を見て、三人で海へ出かけていった。

「姉さん、お昼どうする?そうめんでもいい?」

部屋の外から妹に声をかけられ、私ははっとして時計を見ると11時を回っていた。

「ありがとう……そうめん食べるわ」

少しして私は読んでいた本をバッグにしまうと、重い腰をあげてリビングに向かった。ほどよく冷房の効いたリビングのテーブルには、すでに茹で上がって冷やされたソーメンがざるに山のように積まれていた。

「姉さん……ソーメン食べよ」

妹は涼しい顔で私にソーメンつゆの入ったお椀とビールを目の前に置いた。

「お昼からビールなんて、いかにも帰って来ました、香川にって感じね」

「へえ、そうなの」

妹は味気ない返事を返しながら、ソーメンをすすっている。私は少し拍子抜けしたが、別に気に留めることもなく、乾いた喉にビールを注いだ。胃の芯がビールの炭酸でシュワとなる感じがした。

その時、庭に車の停まる音がした。

「帰ってきたみたいね」

少しして、「あっちい」と言いながら首にタオルを巻いた秀隆くんがリビングに顔を出した。

「秀隆くん、ごめんね。面倒かけちゃって……ありがとう。素麺、食べて。ビールもよく冷えてるわよ」

席にどかっと腰を下ろした彼に、
「秀隆、さっきね、よし兄から電話があったんよ。午後からみんなで一緒に海に行こうって。どうする?」と由衣が問いかけた。

その問いに秀隆くんは、汗を拭いながら「もちろん、行くよ」と短く答えた。
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