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お題小説第4弾「次の夏に、また会いましょう」
第3章 夏祭り
「花火…だね」
「ああ」
「やっぱりこっからじゃ見えないね」

残念ながら、ドーン、ドーンという音は聞こえるし、
空がオレンジや緑に光る様子は見えるのだけれど、
肝心の花火は見ることができなかった。

「花火、持ってきたよ」
「え!?」
「って言っても、ホンモノは無理だった。
 だからさ、これ…」

僕が取り出したのは、
万華鏡だった。

これも出店で売っていたのだ。
花火が見えないかもしれないと思ったからだ。

「ほら、覗いてみてよ。
 あの水銀灯の方を見て…」

純は言われたように、万華鏡を覗き込んだ。
クルッ、クルッとそれを回していく。

「花火…みたいだろ?」

純は黙っていた。
黙ったまま、万華鏡を回し続けていた。

あれ?
ちょっと…外したか?

不安になった時、
やっと、彼女は口を開いた。

「蒼真…蒼真…」

頬に光るものが見えた。
それが、純の涙だと気づくのに、
少し時間がかかった。

「蒼真…あ…ありがとう…」

万華鏡から顔を外す。
その目からはボロボロと涙を流していた。

彼女が僕の方を見る。

「蒼真…ここであなたに会えて…
 よかったよ」

彼女の顔が近づいてきた。

背後で、特大の花火が上がったみたいだ。
一瞬、夜空がぱっと明るくなり、
遅れてドーンと大きな音が夜を震わせた。

その時、純の唇が、
僕の唇に、そっと…重なった。
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