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開発された女教師〜純愛の果ての真の快楽〜
第2章 静かなる予兆
「中に入りましょう。ちょっと肌寒いですしね」

​秋が優しく微笑みながら、引き戸を開けて七海を店内に促してくれた。

こぢんまりとした居酒屋の空気はどこか温かく、出汁と焼き鳥の香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。

​二人で奥の座敷席に腰を下ろし、まずは飲み物の注文。

「とりあえず、生ビール二つで」

秋が注文を通すと、ほどなくしてジョッキが運ばれてきた。

​「一週間、本当にお疲れ様でした。乾杯」
「お疲れ様です、乾杯」

​カチン、とガラスが小気味よい音を立てる。

七海は喉を鳴らしながら、冷えたビールを勢いよく煽った。

実は、七海は数あるお酒の中でもビールが一番好きだ。

サバサバとした彼女の気性に、この喉越しは最高に馴染む。

ぷはぁ、と小さく息を吐き出すと、一週間の疲れがアルコールとともに溶けていくようだった。

「橘先生、本当に美味しそうに飲みますね。僕、二杯目からはハイボールにいっちゃうんですけど、最初の一杯はやっぱりこれに限ります」

「あ、本庄先生はハイボール派なんですね。私は最初から最後までずっとビールでも平気なタイプです」

「へえ、かっこいいな。」

​秋はクスリと笑い、店員を呼んで

「とりあえず、このお店のお薦めメニューをいくつかお願いします」

とスマートに料理を注文してくれた。

​運ばれてきたお薦めの刺身や地鶏の炭火焼きを突きながら、二人の会話は昨日までの研修の延長線へと繋がっていく。

「それにしても、水曜日のあの講師の先生、話が長かったですよね」

「本当ですよ。橘先生が的確に質問を終わらせてくれなかったら、あと三十分は延びてました。あの時は心の中で拝んでましたもん」

​そんな研修内のユーモラスな愚痴から始まり、お互いの出身地の話へと移る。

懇親会の賑やかな席では深く掘り下げられなかった、地元の知る人ぞ知る名店や、学生時代のくだらない思い出話。

話せば話すほど、二人の間の空気は急速に温まっていった。

​七海にとって、目の前で楽しそうにグラスを傾ける秋は、やはりどこまでも優しくて、聞き上手な、居心地のいい男だった。

お酒の力も手伝って、七海の警戒心は完全に解きほぐされていく。
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