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ちょっとした刺激
第1章 異変
 燿は穂乃花から手を離し、身体を起こす。

「え……こんな時間に誰……」

『ピンポーン』

 再びチャイムが鳴る。受話器はリビングにしかない。

「どこかの出前が間違えてるんだな……待ってて」
「モゴ?」

 燿はベッドから降り、スタスタと部屋を出て行く。穂乃花は手錠を外して欲しいと思ったが、ギャグボールのせいで伝えられなかった。
 もちろんこんな所を誰かに見られたらどうしようとは思うが、今は大人しく待つしかない。穂乃花がそう思った、その時。

―― ガシャーン! バタン!

 玄関で大きな物音がした。何かが割れ、何かが倒れたような音だ。燿が何か落としたのだろうか? きっとそうだ、穂乃花はそう思った。

―― ドタ、ドタ、バタン! ドタ、ドタ、

 続いて誰かが廊下を歩き回る音、燿が慌ててちりとりを探しているのか、リビングや納戸のドアを荒々しく開けている。
 その足音は……まるで革靴を履いたままの大男が歩き回っているかのように、大きい……!

―― バタン!

 ついには寝室の扉が、叩きつけられるように開いた。それはアイマスクで目隠しされた穂乃花には見る事が出来なかったが……とにかく、穂乃花の頭は真っ白になった。
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