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地味な僕が女装したらアイドルになってしまった
第1章 スカウト
「おじゃましました…」
「おっと」
踵を返したところ前に人が立ちはだかっていた
「あ、すいません…?」
見上げると、見覚えのある男だった
他クラスの1年生でサッカー部期待の星
背が高く爽やかなイケメンで女子の間で人気の…佐藤颯太…佐藤?
「ん?へぇー珍しい、姉ちゃんが男連れ込んでるなんてよ〜」
姉ちゃんって…生徒会長の弟?
「そんなんじゃ無いわよ!アンタこそ取っ替え引っ替え…」
強い口調の生徒会長、ホントに姉弟のようだ
「あれぇ?もしかしてヒデじゃん!」
佐藤颯汰の後ろから女子が顔を出した
!!
スズキヨ!鈴木清子。同じ中学校の同級生でサッカー部のマドンナ的マネージャーだ
誰が彼女を射止めるかと競っていたけど
先輩にあっさりかっさらわれたっけ
僕は中学のサッカー部では揶揄も込めて『ヒデ』とも呼ばれていた
「なんだ、知り合いが?」
佐藤颯太が振り返ってきた
「同中でサッカー部よ」
「へぇ~よろしくな」
「よ、よろしく…」
「ヒデ、サッカー部に来てないじゃん」
「い、今は生徒会の手伝いをしてるんだ」
演劇部は謎の女子ということなので
僕は表向き生徒会の臨時員ということにしている
「生徒会?…!あっサトミサマ!颯太くんのお姉さんってサトミサマだったの?すごーい、私、鈴木清子と言います、握手して貰っていいですか?あと、あと…」
スズキヨは生徒会長へ迫って行った
生徒会長の佐藤美咲さんは一部では「サトミサ」と言われ、ガチファンには「サトミサマ」と呼ばれていた
どうやらスズキヨはガチ勢らしい
猛烈なファン圧に押されて流石の生徒会長も後退り
スズキヨは尚もグイグイ玄関の中まで進む
「おいおい俺とヤリに…遊びに来たんだろーが」
佐藤颯汰も後を追って家に入って行った
本音が漏れてたぞ
まったく、これだからイケメンは嫌いだ

だいたい
サッカーはモテるぞって友達が言うので一緒にサッカー部に入ったのだ
だけど、実際モテるのはイケメンかダントツにサッカーが巧いヤツかで
どっちでもない僕たちはモテる事もなく
なんとなく部活を続けていただけだった
高校に入って惰性でサッカー部に入ろうとも思ったけれど
巧いイケメンが入ると聞いてやめておいた
中学の頃から有名だったアイツ、佐藤颯太だ
関わる事無い人種だと思っていたら
まさかこんな形で会うなんて…

沈んだ気持ちで帰途に就いた
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