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ウイングの徒然草
第1章 紹介文
明智光秀は、本当に信長を討ったのか。
それとも、歴史は彼に「逆臣」という濡れ衣を着せたのか。

本能寺の変――。
焼け落ちた寺に、信長の遺体はなかった。

愛宕山の発句。
安土天主の密議。
炎上する安土城。
異様に早すぎた秀吉の中国大返し。
沈黙する公家衆。
そして、半月の下、光秀が震える筆で書き残した「不慮の儀」の書状。

もし、光秀が信長を討ったのではなく、救おうとしていたのだとしたら。
もし、信長が炎の向こう側へ消えていたとしたら。

光秀は揺れていた。
だが、奥底にある忠義だけは、最後まで揺るがなかった。

これは、歴史を塗り替えるための物語ではない。
残された記録の空白に、もう一つの可能性を灯す物語である。

本能寺の変を二十年考え続けた作者が辿り着いた、
明智光秀冤罪というもう一つの可能性。

秀吉が書き換えた歴史。
光秀が背負った罪。
帰蝶だけが知る、一枚の布の約束。

火を越えた者たちは、何を残し、何を消したのか。
これは、記録の裏側に隠された、もう一つの本能寺である。

読み終えた時、あなたは思うかもしれない。
もしかすると、本当にこうだったのではないか――と。
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