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あなたの一番になりたいのに
第1章 【こんなにも好きなのに】





エレベーターから降りた時に廊下の奥の方で
10日ぶりに見た背中
後ろ姿だけで瞬時にわかる
出張から帰って来たの?
声は掛けれないけど見れただけで胸がいっぱい
見えなくなるまで見ようとその場から動けなくなる



あれ?フラついてない?
壁に手をつきながら背中を丸めて
お腹あたりを押さえているような……
まさか、と書類持ったまま走り出した
前に回り込んで顔を覗き込む



やっぱり顔色悪い
最近、ちゃんと食べてなかったでしょ?
久しぶりに目が合って心臓がトクン…と跳ねた



「カンナさん…大丈夫ですか?」


「………」



明らかに体調悪そう
支えようとしたその手を払われてしまう



「大丈夫だから、行って」


「いや、でも……医務室行きましょう?」


「行って!」


「え……」



急に大きな声で突っぱねるカンナさんに萎縮する
頭を抱えて明らかに体調が悪いはずなのに
周りに誰も居ないし、このまま放っておけないよ



「ごめん……今のは言い方キツかったね、もう大丈夫だから、持ち場に戻って」



そう言って二、三歩進んだところで膝が崩れ落ちる
慌てて支え、異変に気が付いた
熱い……熱あるんじゃ?
仕事詰め込んで、きっと睡眠もろくに取れてない
食事も疎かにしていたらそりゃ倒れるよ



「カンナさん、医務室行きましょう、大人しくしてください」



私もキツめに言うとやっと素直に頷いてくれた
支えながら歩いて再びエレベーターに乗る
顔が近くてこっちを見てるから目を合わせると
かなりしんどいんだろう、目が虚ろだ
ようやくポツリ、「ごめんね」と言った
肩に頭を乗させて
「謝らないでください」とだけ伝えて医務室へ向かう



扉は開いていたが誰も居ない
とりあえずベッドに寝かせてスマホを取り出す
サツキさんに知らせた方が良いだろうと思った
矢先に阻止される



「呼ばないで」


「え…?でも」


「お願い、少しだけで良いからミオと居たい」



そんな風に言われたら手を下げるしかないじゃない







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