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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第43章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~午前編
同日 8時34分 神奈川支店 13階 ロッカールーム

ドアを閉め、鍵をかけた彩香は、壁に背中を預けてその場にしゃがみ込んだ。
両手で顔を覆い、熱くなった頰を押さえながら小さく震える。

「……もう……無理……なんで、すぐそばにいるの……健治さん……意地悪……」

好き避けモード全開の彩香は、ロッカールームの薄暗い空間で小さく縮こまった。
胸の奥では、健治さんへの想いと、
恥ずかしさでどうしようもない気持ちが激しく渦巻いていた。

(……今日は……絶対に近づかない……近づかれたら……また、溶けちゃう……)

ロッカールームに彩香の荒い息遣いだけが、静かに響いていた。


8時45分 神奈川支店 13階 ロッカールーム

「……こうもしちゃいられない……」

彩香は小さく自分を叱咤し、深呼吸を繰り返した。

ロッカールーム内に入ってきた、
隣の営業部に所属する浅川さん(23歳)の声が聞こえてきた。

彩香はタイミングを計り、
浅川さんがロッカールームから出ていく瞬間に一緒に動き出した。
自然な感じを装い、浅川さんと並んで廊下を歩き勤務フロアのドアを開けた。
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