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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第43章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~午前編
<健治SIDE>

同日 同時刻 横浜市 保土ヶ谷区 健治自宅マンション

朝のランニングを終えた健治さんは、汗を拭きながら自宅に戻ってきた。
シャワーを浴びてさっぱりした後、Tシャツに着替え、
リビングのソファーに腰を下ろした。

スマホを取り出し、彩香からのLINEを確認する。

彩香からのスタンプ

猫が目を細めて「おはようございます」と言う可愛いスタンプ
うさぎが恥ずかしそうに両手で頰を押さえてお礼をするスタンプ
モグラが顔を真っ赤にして土の中に慌てて逃げ込むスタンプ


健治さんは画面を見て、低くくすりと笑った。
口ひげの端を指で軽く撫でながら、満足げに目を細める。

(……また逃げてるな、可愛い奴め)

昨夜、健治さんも彩香の夢を見ていたその夢を思い返す。


健治さんが見た夢

夢の中、健治さんは神奈川支店の面談室にいた。

彩香が一人で資料をまとめているところに近づくと、彼女は顔を真っ赤にして硬直した。
そのまま健治さんが近づき、彩香を抱き寄せてキスをしようとした瞬間

——彩香が恥ずかしさのあまり机の下に隠れようとする。

「逃げても無駄だぞ、彩香」

夢の中で健治さんは笑いながら彩香を引きずり出し、深くキスをした。
彩香が恥ずかしそうに身をよじる姿が、夢の中でもたまらなく愛おしかった。


現実に戻った健治さんは、スマホの画面をもう一度眺め、独り言のように呟いた。

「モグラみたいに土の中に逃げ込んでも……
結局、俺が全部掘り起こしてやるのに」

低く愉しげに笑い、健治さんは彩香に返信を打った。

7:15 健治
スタンプ、可愛いな。
逃げても無駄だぞ(笑)
今日もちゃんと会社で会おう。
お前が頑張ってる姿、見てるのが楽しみだ。


送信後、健治さんはソファーの背もたれに体を預け、満足そうに目を閉じた。
朝のランニングで汗を流した体は軽かったが、心は彩香への想いで熱く満たされていた。

(……好き避けモードで照れて逃げる彩香も、全部可愛い。
今日も、ちゃんと捕まえてやる)
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