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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第43章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~午前編
<彩香SIDE>

水曜日 夢の中

カラオケボックスの中で、彩香は友達の美奈子と琴音と一緒に歌っていた。
80年代ソングを三人で盛り上がって歌い、笑い声が絶えない楽しい夢だった。

「彩香、次はあんたの番よー!」

「うん! 『ワインレッドの心』歌うね!」

彩香がマイクを持って笑顔で立ち上がった瞬間——

ボックスのドアがゆっくり開き、健治さんが入ってきた。

「……健治さん……?」

彩香の笑顔が一瞬で凍りついた。
顔が急激に熱くなり、耳まで真っ赤になって硬直する。

健治さんはいつもの渋い笑みを浮かべ、ゆっくりと彩香に近づいてきた。
夢の中なのに、その存在感と男らしい体温がはっきり感じられる。

「彩香……逃げても無駄だぞ」

低く甘い声。

健治さんが彩香の頰に手を伸ばし、顔を近づけてくる。

唇があと少しで触れ合う寸前——

ピピピピピピ!!

目覚まし時計が激しく鳴り響き、彩香は飛び起きた。

「……はぁ……はぁ……」

ベッドの中で荒く息をしながら、彩香は自分の熱くなった頰を両手で押さえた。

(……また……健治さんの夢……どうして、こんな夢ばっかり見るの……)
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