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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第42章 逃げ切れない平日の甘い攻防~火曜~②
火曜日 15時 神奈川支店 13階 面談室

彩香は緊張した面持ちでノートPCと資料を抱えて面談室に入った。
数分後、健治さんも入室し、ドアを静かに閉めた。

二人は向かい合って座ったが、部屋の空気はすぐに甘く張りつめたものに変わった。

「では、始めようか」

健治さんは添削済みの資料を広げ、低く落ち着いた声で切り出した。
表面上は至って真面目な課長の顔だったが、
眼差しには彩香をからかうような光が宿っている。

彩香は必死に集中しようとしながら、添削内容について意見を出し始めた。

「……ここは、顧客のセキュリティ要望の部分を
もう少し具体的にした方がいいと思います。
前回のヒアリングで、中堅ゼネコン様が特に……」

健治さんは頷きながら、時折彩香の意見を肯定し、補足を加えていく。
二人は真剣に議論を進め、発表会用のスライドと資料を共同で修正していった。

しかし——
作業が進むにつれ、健治さんの「甘やかし」が徐々に忍び寄ってきた。

彩香が資料に集中して画面を見つめていると、
健治さんはテーブル下でそっと彩香の膝に自分の膝を軽く触れさせた。
温かく、重みのある感触に彩香の肩がびくりと跳ねる。

「……け、健治さん……」

小声で抗議しようとする彩香に、健治さんは真面目な顔のまま低く囁いた。

「集中しろ。……お前が可愛いから、つい手が伸びるんだ」
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