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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第26章 父の日の前夜 ~夢の余韻(start-2day)~ 彩香編①
健治さんは彩香の荷物をまとめ、新幹線で神奈川へ一緒に戻った。

以前住んでいた健治さんのマンションではなく、
少し広めの2LDKへ新しく引っ越した。

彩香の希望で「二人で選んだ新しい場所」にしたかったからだ。

神奈川に戻った初日、彩香はキッチンで健治さんの好きな煮物を作りながら、
幸せそうに微笑んでいた。

「ただいま、健治さん」

「おかえり、彩香。……もう逃げないよな?」

健治さんが後ろから抱きつき、
彩香のむっちりとした太ももに逞しい脚を絡めるように密着させた。

彩香は小さく頷き、健治さんの厚い胸板に背中を預けた。

「逃げません。もう、私の全部を健治さんに預けたい……」

彩香の想いは、逃げた時期よりもずっと強くなっていた。

一途で純情な彼女の心は、健治さんへの愛情でいっぱいになっていた。



帰郷して数日後、彩香は母に電話した。

「母さん、神奈川に戻ってきたの。健治さんとまた一緒に暮らすことにした」

母はしばらく沈黙した後、ため息混じりに言った。

「彩香……本当に大丈夫なの? 前は怖いって逃げたのに、
今度は自分から仕事を辞めて……」

「うん。大丈夫。逃げてみてわかったの。
健治さんじゃなきゃ、私ダメなんだって。甘えたいし、守られたい。
母さんには心配かけるけど、これが私の幸せなんだと思う」

母の声は複雑だったが、最後に小さく言った。

「……あなたが笑っていられるなら、それでいいわ。
ただ、もし辛くなったらすぐに言いなさい」



LINEで高校時代からの親友である琴音に伝えると、返信は驚きに満ちていた。

琴音:
ええっ!? 今度は自分から仕事を辞めて神奈川に戻るの!?
彩香、完全に健治さん一色じゃん……
前に「重い」って泣いてたのに、今は「もっと傍にいたい」って……
まあ、彩香が本気で好きなら応援するけど、
束縛されすぎて息苦しくなったらすぐ逃げてね!
いつでも迎えに行くから!!


彩香は笑いながら返信した。


琴音:
ありがとう。でも、もう大丈夫だよ。健治さんの愛し方が、今はすごく嬉しいの。
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