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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第93章 結婚指輪を外してまで
その言葉に、澪は一瞬だけ、ピタリと動きを止めた。その瞳に微かな躊躇の色が浮かび、視線がベッドの虚空を彷徨う。 結婚指輪――それは二人が生涯の愛を誓い合い、たとえ仕事や距離で離れていようとも、お互いの心は常に一つに繋がり合っているという不変の証だった。雄一にとっても、澪がその指輪を嵌めている限りは、どれほど肉体を他の男に汚されようとも「彼女は自分の妻だ」と信じられる、最後の心の拠り所だったのだ。
しかし、宇佐美の情熱的な瞳に真っ直ぐに見つめ直されると、澪の理性を繋ぎ止めていた細い糸は、容易く解けてしまった。澪は切なげに眉をひそめ、胸の奥で夫への罪悪感に葛藤しながらも、自ら右手を添えた。そして、ゆっくりと時間をかけるようにしてその銀色の輪を指から引き抜くと、ベッドの脇のナイトテーブルへそっと置いた。
その瞬間、雄一の胸に、言葉を絶するほどの凄まじい衝撃が突き刺さった。 脳裏を真っ白にするような激しい目眩が襲い、心臓が直にわしづかみにされたように激しく痛む。離れていても繋がっているはずの聖なる証が、目の前で、別の男からの愛の請願のために外されていく。その絶対的な拒絶と裏切りは、雄一のこれまでの人生のすべて、そして夫としての最後の魂を、根底から木っ端微塵に粉砕した。あまりのショックに視界が歪み、雄一はただ愕然と目を見開いたまま、その場に釘付けになってしまった。
指輪を外したことで、二人の背徳的な情熱は一気に加速した。互いの身体を反転させ、再び激しいシックスナインの体勢へと移行する。目の前にある互いの性器を、貪るように、あるいは慈しむように舌先で愛で合う二人。グチュグチュ、ジュルリと、部屋中に響き渡る水音は先ほどよりも一段と濃密さを増していく。
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