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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第93章 結婚指輪を外してまで
ドアの向こうに広がっていたのは、忌まわしいあの広々としたベッドルームだった。
部屋に入ると、画面越しに聴いていたのとは比べ物にならないほど生々しい、ねっとりとした吐息とシーツの擦れる音が、直接雄一の鼓膜を震わせた。しかし、ベッドの上で互いの身体を寄せ合い、うっとりとした表情で睦み合っている澪と宇佐美は、完全に二人の空間に没頭しており、雄一が部屋に入ってきたことにすら全く気づいていない。遮るもののない生身の二人の姿は、暴力的な蹂躙などではなく、まるで深い愛の絆で固く結ばれた本物の恋人同士そのものに見えた。
雄一の存在に露ほども気づかないまま、二人はどちらからともなく、再び互いの全裸の身体を愛おしそうに撫でさすり始めた。
「澪さん……本当に、なんて愛おしい身体なんだ。何度抱きしめても、あなたを求める気持ちが収まらない……」
「宇佐美さん……っ。私も、あなたに触れられていると、胸の奥が熱くて、どうにかなっちゃいそうなの……。宇佐美さんの優しい手で、私を優しく包み込んで……っ」
二人の口から次々と溢れ出るのは、すぐ傍らに佇む夫の存在を完全に消し去るような、甘く切ない求愛の言葉だった。雄一にとっては、一言一言が耳から脳髄へと直接突き刺さる、聞いていられないほどに残酷な愛の囁きだった。
すると、宇佐美が澪の左手を優しく取り、その薬指に嵌められた銀色の指輪を愛おしげに見つめた。
「澪さん……わがままを言ってもいいですか。今、この時間だけは、その左薬指の指輪を外してほしい……. 僕だけのあなたでいてくれませんか」
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