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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第92章 妻の裏切りリアルタイム動画
(どうして……どうしてそんな呼び方で、そんな甘い声で、あの男の名前を呼ぶんだ、澪……)
雄一の頭の中で、先ほどの澪の言葉が何度も、何度も響き渡り、彼を奈落の底へと引きずり込んでいく。
『雄一さん……お願いです。これからの1時間……雄一さんは、あっちのパーティールームで待っていてくれませんか……?』
あの時、澪が普段の夫婦の間柄では使うはずのない「くれませんか?」という丁寧で他人行儀な言葉遣いをした理由が、今なら痛いほどによく分かった。澪は、夫である自分の受ける精神的な痛みを気遣って自分をこの部屋へ遠ざけたのではなかった。 神楽坂が指摘した通り、本気で愛し合っている宇佐美との二人の世界を、夫である自分に邪魔されたくなかったから。心まで別の男に奪われかけているその醜くも本気な姿を、自分に見られるのが恐ろしかったから、あのよそよそしい言葉で自分を追い出したのだ。
自分が信じようとした、あのベッドの上からの「私を信じて」という澪の必死な叫び。それに応えようと、心に灯したわずかな光は、スピーカーから流れ出る二人の甘美な会話によって、一瞬にしてどす黒い絶望へと塗りつぶされていった。
『本当は、今すぐにでも、あなたのその可愛い唇に口づけしたい……』
宇佐美のその切ない告白に対して、画面の向こうの澪は、激しく胸を揺さぶられているようだった。 彼女の脳裏には、雄一の妻としての矜持や、隣の部屋に夫がいるという事実が、どうにか口づけを思いとどまらせる最後の砦として立ち塞がっているのだと信じ切っていた。しかし、その激しい葛藤の末に澪の口から漏れたのは、夫を完全に絶望させる言葉だった。
『私も……私も宇佐美さんと、たくさん口づけしたい……。でも、ここでは出来ないの……。神楽坂さんたちが見ている前なのに、ルールを破って唇は駄目っ……っ』
その悲痛な、しかし確実な同意の言葉を聴いた瞬間、雄一の心は粉々に砕け散った。 澪は、雄一の妻としての矜持があるから、あるいは夫である自分への愛があるから拒んでいるのではなかった。ただ、神楽坂たちの目がある前でルールを破るわけにはいかないという、状況的な理由で必死に理性を保っているに過ぎない。それは裏を返せば、周囲の目がなくなり、二人きりになれる時間が来れば、何の躊躇もなくその唇を宇佐美へと捧げるという、残酷な未来の証明だった。
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