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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第69章 言葉の不貞をも演じる人妻
「その代わり……私からも、一つだけ我が儘を言ってもいいかしら? これからはね、真壁さんのことを……改めて、『あなた』って呼びたいの……っ」
真壁は、予想もしなかった澪からの秘めやかな提案に、一瞬だけ呆気に取られたように瞬きをした。
「え……? 下の名前じゃなくて、『あなた』なのか?」
「ええ……。下の名前で呼ぶよりも、そのほうがずっと、私にとっては特別な意味を持つの。だって『あなた』という響きはね……私が一人の男の人に完全に心も体も委ねて、その人の色に染まってしまった時だけに使う、何よりも特別で、重い言葉なんだもの……っ。今の私は、真壁さんの強さにすっかり溺れてしまっているから……だから、そう呼ばせてほしいの……」
澪は真壁の胸に顔を埋めながら、男の自尊心を極限まで満足させる完璧な解答を返した。
その頃、静まり返った鴫原家の居間で、夫の雄一は所在なさげに椅子に腰掛けていた。 壁に掛けられた時計の針は、すでに深い夜を指している。いつもなら、知的で非の打ち所のない最愛の妻が、穏やかな微笑みを浮かべて自分の隣にいるはずの時間だった。しかし今、彼女は過酷な勝負の局面のために、自分の手の届かないあのベッドルームで、文字通り身を投げ出している
その不気味な静寂を破るように、卓の上に置かれた雄一の携帯電話が、ブゥゥーンと震えた。
画面に表示されたのは、神楽坂からの通知だった。心臓が嫌な音を立てて跳ね上がる。指先を微かに震わせながら開くと、そこには一本の動画が添付されていた。
雄一は生唾を飲み込み、意を決して再生のボタンに触れた。
真壁は、予想もしなかった澪からの秘めやかな提案に、一瞬だけ呆気に取られたように瞬きをした。
「え……? 下の名前じゃなくて、『あなた』なのか?」
「ええ……。下の名前で呼ぶよりも、そのほうがずっと、私にとっては特別な意味を持つの。だって『あなた』という響きはね……私が一人の男の人に完全に心も体も委ねて、その人の色に染まってしまった時だけに使う、何よりも特別で、重い言葉なんだもの……っ。今の私は、真壁さんの強さにすっかり溺れてしまっているから……だから、そう呼ばせてほしいの……」
澪は真壁の胸に顔を埋めながら、男の自尊心を極限まで満足させる完璧な解答を返した。
その頃、静まり返った鴫原家の居間で、夫の雄一は所在なさげに椅子に腰掛けていた。 壁に掛けられた時計の針は、すでに深い夜を指している。いつもなら、知的で非の打ち所のない最愛の妻が、穏やかな微笑みを浮かべて自分の隣にいるはずの時間だった。しかし今、彼女は過酷な勝負の局面のために、自分の手の届かないあのベッドルームで、文字通り身を投げ出している
その不気味な静寂を破るように、卓の上に置かれた雄一の携帯電話が、ブゥゥーンと震えた。
画面に表示されたのは、神楽坂からの通知だった。心臓が嫌な音を立てて跳ね上がる。指先を微かに震わせながら開くと、そこには一本の動画が添付されていた。
雄一は生唾を飲み込み、意を決して再生のボタンに触れた。

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