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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第57章 湯気の中で乱れる妻 絶望する夫
その頃――場所は変わり、静まり返った鴫原家の自宅。
雄一が、あの地獄のようなマンションの部屋を離れてから、およそ1時間が経過していた。夜の11時。シッターから引き取ってきたばかりの娘の紬は、パパに手を引かれてようやく自宅のベッドに入ったところだった。
「パパ……ママは? いっしょにねないの……?」
小さな手で布団を握りしめ、不思議そうに見上げてくる娘の澄んだ瞳。雄一は胸が張り裂けそうになるのを必死に堪え、引きつる唇でどうにか笑みを作った。
「ママはね、お仕事でちょっと遅くなるんだ。大丈夫だよ、パパがずっと隣にいるからね。さあ、目を閉じて、おやすみ……」
紬の小さな頭を震える手で優しく撫でさする。我が子はパパの言葉に小さく頷くと、安心したようにゆっくりとこれから眠りに入っていくところだった。
まだ完全に寝入っていない娘を起こさないよう、雄一はベッドサイドの椅子に深く腰掛け、音を立てずに両手で顔を覆った。脳裏に焼き付いて離れないのは、あの密室に残してきた妻・澪の姿。そして、自分が部屋を出るより少し前に、目の前で繰り広げられた最悪の光景だった。
雄一の胸の奥には、黒くドロドロとした感情が渦巻いていた。部屋を出るより少し前、澪は宇佐美に激しく狂わされ、理性を完全に失った状態で「宇佐美さんが好き」だとか「宇佐美さんの子どもが欲しい」と、自発的に口にしてしまっていたのだ。誰かに強要されて無理に言わされたのではないことは、あの場で一部始終を見ていた雄一の立場でもはっきりと分かっていた。だからこそ、その事実がどうしても頭から離れず、激しい嫉妬と不信感として深く根に持っていたのだ。
(あの時、澪は本当に狂わされて、本心からあの男を求めてあの言葉を言ったのだろうか……?)
暗い自問自答を繰り返し、心の傷口を自ら広げるような苦しみに悶えていた、その時だった。
雄一が、あの地獄のようなマンションの部屋を離れてから、およそ1時間が経過していた。夜の11時。シッターから引き取ってきたばかりの娘の紬は、パパに手を引かれてようやく自宅のベッドに入ったところだった。
「パパ……ママは? いっしょにねないの……?」
小さな手で布団を握りしめ、不思議そうに見上げてくる娘の澄んだ瞳。雄一は胸が張り裂けそうになるのを必死に堪え、引きつる唇でどうにか笑みを作った。
「ママはね、お仕事でちょっと遅くなるんだ。大丈夫だよ、パパがずっと隣にいるからね。さあ、目を閉じて、おやすみ……」
紬の小さな頭を震える手で優しく撫でさする。我が子はパパの言葉に小さく頷くと、安心したようにゆっくりとこれから眠りに入っていくところだった。
まだ完全に寝入っていない娘を起こさないよう、雄一はベッドサイドの椅子に深く腰掛け、音を立てずに両手で顔を覆った。脳裏に焼き付いて離れないのは、あの密室に残してきた妻・澪の姿。そして、自分が部屋を出るより少し前に、目の前で繰り広げられた最悪の光景だった。
雄一の胸の奥には、黒くドロドロとした感情が渦巻いていた。部屋を出るより少し前、澪は宇佐美に激しく狂わされ、理性を完全に失った状態で「宇佐美さんが好き」だとか「宇佐美さんの子どもが欲しい」と、自発的に口にしてしまっていたのだ。誰かに強要されて無理に言わされたのではないことは、あの場で一部始終を見ていた雄一の立場でもはっきりと分かっていた。だからこそ、その事実がどうしても頭から離れず、激しい嫉妬と不信感として深く根に持っていたのだ。
(あの時、澪は本当に狂わされて、本心からあの男を求めてあの言葉を言ったのだろうか……?)
暗い自問自答を繰り返し、心の傷口を自ら広げるような苦しみに悶えていた、その時だった。

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