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エロ本を拾っただけなのに2 ~熟母・香代子~
第7章 《絶望に垂らされた糸》
「私の娘はまだ学生なのよ!? あなたみたいな、私と変わらない年齢の男がたぶらかして……挙句の果てに妊娠ですって!? 馬鹿にするのもいい加減にして!」

夫の裏切りに続き、今度は娘の人生まで見知らぬ中年男に壊された。その怒りと絶望から、香代子は涙を流して聡を罵倒した。
しかし、聡は一切表情を変えることなく、香代子の怒声が収まるのを静かに待っていた。そして、香代子が肩で息をするようになると、聡はゆっくりと口を開いた。

「お怒りはごもっともです。どんな罵倒も受け入れます。……しかし、お母様。今のあなたには、ご自身の悲しみと向き合う時間が必要ではないですか」
「……え?」
「優香から聞いています。ご主人の裏切りと、心無い言葉の数々……。1人で家庭を守り続けてきたあなたが、どれほど辛く、孤独な思いをされているか。俺には痛いほどわかります」

聡の低く、静かな声が、香代子の胸の奥の最も柔らかい部分に触れた。

「優香を叱責したのも、娘を愛するがゆえの不安からでしょう。……あなたは何も悪くない。1人で苦しむ必要はないんです」

夫からは「お前の管理不足だ」とすべてを押し付けられた。だが目の前の男は、自分の辛さを理解し、肯定してくれている。香代子の目から、怒りとは違う、ポロポロとした大粒の涙がこぼれ落ちた。
その涙を見た聡は、用意していた「提案」を静かに切り出した。

「あのマンションのオーナーは、私の両親です。私は管理人をしていますが、個人的な資産も十分にあり、一生働かなくても優香と子どもを養っていけるだけの経済力があります」

香代子はハッとして顔を上げた。

「実は、あのマンションに1部屋、空きが出たんです。お母様……これからの離婚調停や、女手1つでの生活、不安ではありませんか? もしよろしければ、その部屋を使ってください。家賃は格安で……いえ、私が全額負担します」
「……そんな、こと」
「生活の面倒も、私がすべて見ます。お母様には、優香のそばで、産まれてくる初孫の成長をゆっくりと見守っていただきたい。……俺に、お母様と優香の人生を丸ごと背負わせてください」
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