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シアター"名画座"で逢いましょう
第1章 シアター"名画座"
ロビーの片隅には小さな売店があって、スナック類よりも成人雑誌の方がかなりの売場面積を陣取っていた。
そして申し訳なさそうな張り紙がしてあって、これまた小さな文字で『コンドームあります』と書かれていて薄暗い照明のロビーに赤文字で書かれている事が淫靡さを増幅させていた。
「コンドームって書いてあるわ!ねえ、やっぱり普通の映画館じゃないのよ!帰りましょうよ」
「やっぱりこういう所にはコンドームとティッシュが必需品なのね…ほら、無防備で射精されちゃ座席の掃除が大変だからよ」
佳純から『射精』って言葉を聞かされて、日菜子は卒倒しかけた。
ここは自分のような、ごく一般の主婦が来るべき所ではない。
男の友達を作りたいのであれば、マッチングアプリでも利用して、自分好みで趣味の合う男性を求めるのが健全だと思えた。
「何してんのよ、さあ、桃源郷へ飛び込むわよ!」
もう逃がさないからねとばかりに、ずっと日菜子の手を握ってエスコートする佳純の手が、興奮しているのか、さらにギュッと強く握ってきた。
シアターの扉を開くと、いきなりの大音量で女のあえぎ声が耳に飛び込んできた。
目の前には大きなスクリーンがあり、巨乳を舐め回す男優のスケベそうな顔が大アップで写し出されていた。

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