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シアター"名画座"で逢いましょう
第10章 粗チン男の悦び
腹立たしい!!
男は個室のドアを片っ端からドンドンと叩き、「お前ら、いい加減にしろよ!」と怒鳴った。
怒鳴った瞬間だけ静まり返るが、すぐさま女のあえぎ声が漏れ始める。
『ちくしょう!』
彼は苛立ち、ブッと放屁して小便器の前に立った。
ファスナーを降ろして短小包茎のイチモツを引っ張り出す。
『くそっ!こいつが人並みの大きさなら…』
それこそめぼしい女を見つけて、個室に引っ張りこんで、いっぱいおまんこをしてやるのにと、忸怩たる思いで小便を始めた。
その瞬間を見計らうかのように掃除婦の熟女が清掃に現れた。
「ああ…一足遅かったわ…」
これはしばらく個室の清掃をさせてもらえないわねと、小便をしている男を無視して、先に小便器の掃除を始めようと、男が用を足している隣の空いている小便器をブラシで擦り始めた。
こうやって男性トイレの掃除をするのも、あとひと月で終わるのだと思うと感傷的になる。
この劇場、隣のラブホテルをはじめ、辺り一帯が再開発とやらで立ち退きを求められていた。
当然、商店街も対象物件となっていて、居酒屋の二階に部屋を借りているので清掃係の三智子は職と住居を同時に失ってしまうことになる。
憂鬱になりそうだが、それでも三智子は、今与えられている仕事をせっせとこなしてゆく。
その視線は隣の小便器で用を足す貧相な男に向けられた。
『長い放尿ね…さっさと終わらせなさいよ、私は忙しいんだから!』
そんな三智子に覗き込まれていると勘違いした男は、体をひねって三智子の視線から逃げようとする。

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