この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
蜜会…五月雨
第4章 五月雨(さみだれ)
 1

「先に寝てる…」

 あの義母の入院した次の夜から… 
 わたしたち夫婦の時計が巻き戻った。

 いや、それは、夫だけ…

 わたしは何も、変わらない。

 ううん…

 少しずつ、ずれていくばかり―――


「はぁぁ…」

 わたしは、わざと時間をかけ、ゆっくり、入念にシャワーで清め、寝室に忍ぶのだが…

「あ……」

 寝息が聞こえていたはずなのに…

 今夜も、手が伸びてくる。

「あ…も、もう、遅いし……」

「うん……」

 触れてくる手を、やんわり払い…

「ぁ……お、お疲れじゃ……なくて………」

「い、いや……」

 耳元の、熱い昂ぶりの吐息に、絶望する。

「ん………」

「……………」

「あ、あな……た………」

「……ちが………」

 その指先は、今夜も探り、震える…

「や……あ………」

「……う…………」

 触れられるたび、

 どこかが、わずかにずれていく―――



「今夜は、間違いなく遅くなるから……」

「はい…」

 朝、出掛け前に言ってきた。

「いってらっしゃい……」

 玄関外で見送ると…

 早朝の爽やかな風に…

 ソメイヨシノがひらひらと舞っている。

「…あら、きれい……」

「ああ……」

 だが、振り向く夫のメガネの奥が…

 一瞬、冷たく光って見えた。


 あの夜からだ…

 あのイタリアンレストランの帰りのタクシーの中からだ…

 あの然り気無く、わたしの左手に触れてきた、あの車内からだ…

 夫の一瞬の冷たい目…

 わたしを観る目が逸れなくなったのは―――

 

 
/36ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ